いずみの会 斉藤です

いずみの会の会報誌を2ヵ月に一度発送していますが、平成24年の2月に掲載した原田さんの体験談を紹介したいと思います。

約三分の二に要約しています。

今から6年前の話です。
原田さんは、いずみの会の副代表で横浜市内にて
関東交流会(いずみの会会員限定)を2ヶ月に一度、開いています。
昨年11月12日での関東交流会の報告を先に紹介します

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平成29年11月12日(日)に “かながわ県民センター”で関東地区交流会を開催しました。
参加者は11名(内家族2名)で、東京から6名、神奈川から3名、埼玉から1名、千葉から1名でした。

はじめに皆で歌い、自己紹介と楽しかったことの紹介をしていただき、Tさんが調べた
①がんの原因と発症のからくり・多岐にわたるストレスの原因と対処法、
②乳がんの原因・診断・治療退縮についての紹介を頂きました。

今回のテーマは「体を動かす方法や運動」でしたので、皆さんの状況をお一人お一人から話していただきました。

会員さんから次のような感想文をいただきました。

「今回の交流会も楽しく歌うことから始まり大きな声で歌えば自然に表情も明るくなり晴れやかな気持ちになりました。

今回のテーマ運動について参加者の方々の実践していることを伺い、自分でも出来そうなものがあったので早速取り入れてみます。

マインドフルネスや禅のお話もあり、難しい事を考えず・ゆったり呼吸をし・無になる時間を持つことを大切にしたいと思いました。

今回も食事、運動、心のお話を柱とした有意義な時間を過ごすことができました。」

次回のテーマを何にするか意見交換の中で、私から「交流会は参加者のつながりの場として貴重ですかが、参加者が来てよかったと思ってもらえる様な情報を提供していますが、参加者からの情報発信が少ないと感じています」と話したところ、Sさんから「毎回、報告者を事前に一人決め、がん発症から今日までのお話をしていただいたらいいんじゃないですか」と提案をいただきましたので、取入れることにしました。

次回の3月18日(日)の関東交流会は会員Oさんにお願いすることになりました。
よろしくお願いします。
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それでは6年前の体験談となります
●原田さん
横浜から来ました原田といいます。
前立腺ガンで、骨転移があります。平成19年の10月にわかりました。その1年ぐらい前に、健康診断でPSAが高くて受診はしていたんですが。

今、5年目に入っています。現在は抗ホルモン剤の注射等をして、あとはPSAの検査をときどきやっています。
5年過ぎてないので、中山会長から年、5年はまだ初心者だと言われておりましたので、10年、15年、20年とやっていこうかなと思っています。

私がガンになった原因はほとんど百パーセントストレスです。
もともと性格が、見ていただいてもわかるかと思いますけれど、几帳面で、人から何か言われると非常に気になる性格で、家庭の問題とか、職場のストレスとか、性格があってとか、いろいろなストレスが重なってなったんだろうと思っています。

今一番気持ちよくやっているのはラジオ体操です。
朝は尿飲料をして、1時間ぐらいの散歩。

それから朝30分の体操をやっています。やっている体操は、佐保田鶴治さんの『ヨーガ入門』というのがあるんですが、その簡易体操とラジオ体操、それから安保徹先生の全身体操の改良版をやっています。

しこをやったり、最後にシャドーボクシングみたいなのが入ったのですが、それをやると大体30分です。

朝はコップ1杯のニンジンジュース、それからすりゴマをたくさんかけた玄米ご飯と味噌汁と漬け物。
水分は番茶。大豆製品のお豆腐とか納豆、根菜類など野菜の部類をとっています。

私の場合はストレスが原因なので、松井病院に入院したときも、食事療法を厳しくしなくてもいいと言われて、アジのフライも半分ぐらいならいいと言われました。
3年間ぐらいは厳しくやりました。
3年間ぐらいやるとだいぶ体も変わってきて、何かいい調子だなと思っていて、週に何回か魚を中心に少しは食べています。

それから、体を温めるというのは私にとってはとても気持ちがよく、効果があります。
靴下の重ねばき、それからズボン下も重ねてはいています。
あとは半身浴。
季節によって温度を変えて、夏は27~28℃、秋は29℃、今は40℃ぐらいに入っています。時間は20分か30分ぐらい。
1時間過ぎからが効果があると言われたことがあるんですけれど、排毒というよりは体を温めることで20~30分入っています。

あとは腹巻と、冬寝るときは湯たんぽ。それから、冬だけではなく、1人用の電気マット。ごろんとしているときはその上に乗っかるということで、気持ちがいいなと思っています。

それと生活の改善、早寝早起き、過労を避ける、規則正しい生活、整理整頓。
1年ちょっと休職していたんですが、たまりにたまったものを少しずつ整理しましたけれど、とても大変でした。
でも整理整頓ができてよかったなと思っています。

ストレスを減らすために 一番力を入れているのは、考え方とか感じ方を何とかして減らせないか。これは非常に私にとっての課題です。

過ぎ去った過去とか、まだ来ない未来のことを心配したり不安に思っていても、過ぎ去ったものはどうしようもないし、来てないものは来るまでわからないわけなので、そのことを考えても答えは出ない。

だから、何をやるかというと、言葉で言えば、今やるべきことに集中するということです。
これがなかなか難しい。ついつい過去のことに気がいってしまう、将来の不安にいってしまうとかいうことがあるんですが、そこを努力しています。

あとは、例えば具合が悪くなってしまった。不摂生して具合が悪くなってしまったときに、あのとき、もっとちゃんとやってればよかったなといっても、やってなかったわけだから、そのことを悔やんでもどうしようもないわけですね。

だから、今何ができるか改めて不安感を重しにして今やるべきことをきちっとやるということで、不安感をちゃんとやるための重しに使おうということでいます。

人間というのはそんなに簡単に死なないと思っているので、仮にドーンと落っこちてしまっても、ここからしっかりやっていけば必ず改善してくるというふうに思います。

逆に動揺してしまってからやることはまずいですよね。どんどん悪いサイクルになってしまいますので、今できることに集中するということですね。

どういうふうにして治っていくのかということなんですけれど、何が問題になっているかというと、たぶん例えば自律神が経とかホルモンバランスとか、いろいろな体内機能があるんだと思うんです、それはバランスで動いているのに、病気になるということは、そのバランスがとれなくなって偏っていると思うんですね。

だからそのバランスをとる必要がある。ではどうしたらとれるかということなんですが、意識的には制御できないわけですね。

自律神経というのは意識から自律しているから自律神経なんで、こうしようと思っても自律神経は制御できない状態なんですね。

自分に向き合う。ではこの無意識のレベルをどうするかということなんですが、私が今思っているのは、自分にとって気持ちのよいことをやると無意識の中に入ったことだと思っています。

では何をやると気持ちがいいのかということなんですけれど、自分の体とか自分の心がどんなふうに感じているのかというのは意外とわからないものなんですね。人間には慣れというのがあって、同じような状態が続くと慣れてしまってわからなくなってしまうんですね。

例えば私が初めてメガネをかけたとき、世の中はこんなにきれいなんだということを忘れていた。昔はよく見えていたはずなんですが、だんだん悪くなっても気がつかないんですね、自分が見えてないということを。で、メガネをかけて初めてわかったということですね。

どうしたらそういう自分の体と心が気持ちよいことに気がつくかというと、やっぱり自分の心と体に向き合わないとわからないと思うんです。

この向き合うというのもなかなか難しくて、私が生活の中でどういうときに自分の体と心が感じられたかなと思ったら、旅に行って、宿に着いて、後で夕食が待っている中で温泉に入ったときです。

ほどよく疲れた体で、露天風呂なら外が見える中で入ったときの感じ、感触ですね。
ああ、自分の体を感じたなあというふうに思って、それをいつもお手本にして、個人的ですけれど、自分と向き合うときの助けにしています。
先ほどラジオ体操を毎日やっていると言いましたけれど、とても気持ちがいいんです。
やるとだんだん気持ちよいところが変わってきました。

体がよくなってきているせいだと思うんです。だから今、一つひとつの動きの気持ちよさをしっかりと味わいながら、温泉に入ったときの、体とか心が、ああ、気持ちいいなというようなこと、あれを感じながらラジオ体操を毎日やっているとどんどん気持ちよくなりますね。

ただ機械的にやるのではなくて、気持ちよさを味わうのがおすすめだと思います。

あとは、嫌な人に会ったとか、ある人に嫌なことを言われたりすると、とても気にするほうで、嫌なやつだな、生まれ育ちにゆがみがあってそんなことを言ったかなと、相手のほうに意識がいってしまうんですけれど、そういうふうに嫌なやつだと思っているのは自分であって、解釈しているのは自分なんですね。

たぶんその人は、自分の気がつかない何か偏った部分が気になっていろいろ言ってくるわけなんですね。
だから、私が気がつかないそういう偏った部分を自分に気がつかせてくれるために会ったんだなというふうに思うようにしています

ただ、かなり強烈なことを言われたりすると自尊心が傷つけられて、私は私なりにちゃんとやってるつもりなんだけれど、私の理解からすると不当なことを言われると、こんなにちゃんとやってるのにどうして認めてくれないんだというようなことで、その痛みみたいなものを和らげようと、その人から離れても、四六時中いかに自分が正しくて相手が言ってることが間違っているのかというようなことを、頭の中で言ったりするわけですよ。

これはこうでおかしいと。でもそんなことをやってもちっとも癒されないんですね。

仏教用語で「忍辱」という言葉があります。忍耐、屈辱、忍辱、屈辱に耐えるという言葉があるのですけれど、それを聞いたときに、要するに自分の受けた屈辱感をそこで解消させようとするのではなくて、その屈辱感はいったん受けて、隅っこではなくて体のところでちゃんと受けとめたうえで、でもそれについて何かやるのではなくて、それはジンジンいろいろ来るのはそのままにしておいたうえで、今やるべきことをやる。

例えばそれがかなりシビアな刺激だったら、散歩するとか運動するとか、何か体を動かす。
この体を動かすときには「よくなる、よくなる、きっとよくなる」と思うわけですね。

私も初めのころ体調が悪いときは、万歩計をつけて言葉の力を借りて、
「よくなる、よくなる、きっとよくなる」「よくなる、よくなる、きっとよくなる。ずんずんよくなる」と、歩きながら繰り返して言ったわけです。
だんだん気持ちが落ち着いてきて、中から元気がわいてくるということが確かにありますので、ぜひやってみたらいいと思うんですけれど、そういうことで時間を稼ぐ。

そうすると、ジンジン体に刺激があった嫌な思い出というのは、体は慣れるので、だんだん薄らいでくる。
半身浴をしたり、ショックがあまり大きくて疲れたら寝るとかいうことで、しばらくやり過ごしたうえで、刺激が少し下火になったら、さっき言ったように、何か自分に至らないところがあるからそういう対応を受けている。

これは間違いないんです。

だからそれを気づくチャンスに使う。そういうふうに思うと、嫌なことというのはとてもありがたいことだというふうに思えていいなと思っています。
見えなかったものが見えてくる。

最初のころはびわの葉温灸をやっていたんです。
葉っぱを探したんですけれど、なかなかないんです。

初めて回ったとき、2ヵ所見つかりました。ああ、やっぱりこの地域はビワの葉が少ないなと思ったんですけれど、同じところからビワの葉はとれないので、もっとどこかにないのかなと思って繰り返して見ているうちにポツンポツンと見つかってきました。

そうやっているうちに感覚が出てくるようになったんです。このあたりにあるかもしれないと。ビワの葉がどういうところにあるかというのがだんだんわかってきて、それで見えるところもあるし、そういう感覚ができると、車を運転していても、何となく葉がもぞもぞっとするんです。

ブレーキを踏みながら、ちらっと1秒ほど見ると、車を運転しながらでも見つかるようになる。
それから、若芽時になると、ビワの芽というのは独特の芽なんですけれど、何百メーター先からも見える、わかるんですね。
ああ、やっぱりいろいろわかるんだなと思って1年ぐらい過ぎても、まだあるんです。

ふだん通勤している通路なんですけれど、こんなところにあるのにどうして気がつかなかったんだろうと思ったんです。

こういうことを経験して、人間というのは全部が見えているわけではないんだなということですね。
だから、何かやりたいと思って念ずれば通ずるということがありますけれど、一生懸命やると、実は見えるはずのものが見えてないんだということが見えるようになった。

単に精神論ではなくて、あるんだと、念ずれば。その念ずるの念というのは、これはちょっと私の勝手な解釈なんですけれど、「心」の上に「今」です。

だから、心を今に集中してやるということが大切なんだなというふうに正当化してみるんですけれど、やっぱり心を今にとどめてやるということがとても重要ですね。

私にとってのいずみの会、情報交換をしたいなというのが一つです。

それから、私がかなり出席している理由は、出席すれば、会員の方とか講演の方のお話を聞いたりできてうれしいし、元気ももらえるわけですね。
定例会が終わると1週間ぐらいはその元気が続きます。
残りの7週間は、次回の出席を考えて、それを励みに自助療法をやるということなんです。だから私にはとてもありがたい存在だと思います。

それから、先輩会員がいるということが実はかなり重要なことで、直接的に何かご高説を賜るとかいうことではなくても、15年、20年生き抜いてきている人を実際に見ていると、潜在意識にも当然しみわたってきて、かなり有効に私には働いているように思います。

だからぜひ古い会員の方も続けて出席してもらいたいし、できればこういう形でかわり番こにお話を聞かせていただくのもいいかなと思います。
私はこういう機会をいただいて、ここ1週間ぐらい何を話そうかなと一生懸命原稿も作ったりしてやって、とてもいい機会を与えていただいたと思って感謝いたします。ありがとうございました。